【現役薬剤師が教える】注意したい防風通聖散の副作用と飲み合わせ!

薬剤師 安永
こんにちは!
調剤薬局で管理薬剤師として勤務している、安永と申します。

 

今回は、市販薬の「ナイシトール」との成分としても有名な「防風通聖散」という漢方薬について、薬剤師の立場からご説明をさせて頂きます。
防風通聖散は若い女性から中高年の男性まで、幅広い方に愛用されている漢方薬ですが、副作用についてはあまり知られていないのが現状です。

調剤薬局でも、お薬をお渡しする際に「漢方薬だから副作用は無いよね?」と仰る患者様もお見受けしますが、実際にはいくつかの副作用に注意をする必要があります。
他のお薬との飲み合わせについても、併用に注意が必要なものもあるので、順に解説をしていきますね。

漢方薬に副作用は無いってホント!?

戦前に用いられていた漢方薬には鉛や水銀などの人体に有害な毒物も用いられていましたが、現在の漢方薬ではこれらの有毒な鉱物性生薬が用いられることは無くなりました。

現在の漢方エキス製剤では過去の膨大な臨床経験から、安全性の高い生薬が中心に配合されていますが、それでも副作用がゼロであるとは言い切れません。
事実、私が勤務している調剤薬局でも、漢方薬の副作用をご経験された患者様は1人や2人ではありません。

しかしながら、漢方薬で起こる副作用はそのほとんどが予測可能なものばかりであるので、
注意すべき副作用をしっかりと理解することが出来れば、
安全にお薬を服用することは難しいことではありません。

今回は防風通聖散を服用した際に起こりやすい副作用をまとめましたので、
現在服用している方やこれから服用したいと思っている方は参考にして頂ければ幸いです。

 

これだけは最低限注意すべき防風通聖散の副作用!

漢方薬による副作用は、生薬の構成成分によるアレルギー反応と、生薬の作用が強く出ることによる薬剤性副作用の2つに大別することが可能です。

アレルギー反応であれば投与初期に発現することが多く、
薬剤性副作用であれば投与初期~長期に渡って発現することが多いと言われています。

 

・疲れやすい、だるい、黄疸(肝機能障害)

漢方薬による肝機能障害はアレルギー反応によるものがほとんどで、
肝毒性によるものでは無いと言われています。投与初期にアレルギー反応として、
肝機能の指標であるASTやALTが上昇することや、疲れやすいといった自覚症状が発現する可能性があります。

この肝機能障害には、肝炎や肝硬変、脂肪肝などがあります。
肝臓は、「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、何かあった時にも自覚症状が現れにくい臓器なのです。

そのため、初期症状がほぼなく、進行していくに連れて以下のような症状が見られるようになります。
少しでも違和感がある場合には検査を受けるようにすることをオススメします。

・発熱や倦怠感がある
・かゆみ
・黄疸(白目が黄色くなるなど)
・褐色尿
・これらの症状が見られる

このように、稀とは言え重篤な副作用も考えられるのです。

・発疹、かゆみ(過敏症)

防風通聖散は漢方薬の中でも構成成分が比較的多いものとなります。
体質的にアレルギー反応が現れることもあるので、特に投与初期に注意が必要となります。

 

・下痢(薬剤性下痢症)

防風通聖散にはダイオウと無水ボウショウが含まれており、服用することで便通の改善を実感される方も少なくはありません。
一方で、体質によっては重度の下痢を引き起こす可能性もあるので、注意が必要です。

・顔や手足のむくみ、脱力感(偽アルドステロン症、ミオパチー)

偽アルドステロン症は男女比で1:2の割合で、女性に多い副作用と言われています。特に低カリウム血症を起こしやすい薬剤を服用している方では、注意が必要と言えるでしょう。
高血圧、筋肉痛、脱力感、手足のむくみから始まり、重症化すると麻痺、悪心、吐き気、意識障害などが起こります。

・空咳、発熱(間質性肺炎)

防風通聖散にはオウゴンが含まれています。間質性肺炎の原因となる可能性が示唆されていますので、空咳や発熱が続いたり運動時に息切れする場合には、漢方薬の副作用を疑う必要性があります。

・動悸、不眠、頻脈、食欲減退(心血管症状、消化器症状)

防風通聖散にはマオウが含まれています。マオウの主成分はエフェドリンという成分で、交感神経に作用することが知られています。不眠や頻脈などの自律神経症状、食欲減退や悪心・嘔気などの消化器症状などが現れる場合があります。
防風通聖散のダイエット効果の一因として、この食欲減退効果が知られていますが、特に強く出てしまう場合には注意が必要と言えるでしょう。

防風通聖散と注意した方が良い、飲み合わせ(代表的なもの)

それでは、実際に注意した方が良い飲み合わせにはどのようなものがあるのか、具体例を挙げて見ていきましょう。
漢方薬では多くの場合、直接的に併用が禁止されている禁忌薬は指定されていません。
しかしながら、同様の効果を持つ薬剤を飲むことによって、相加・相乗的に副作用が発現してしまう可能性がある点に注意をする必要があるでしょう。

【下痢を起こす可能性のある薬剤】

・塩類下剤(マグミット、酸化マグネシウム、重カマなど)
・刺激性下剤(アローゼン、プルゼニド、セチロ、ラキソベロンなど)
・その他下剤(アミティーザ、リンゼスなど)
・大黄甘草湯
・麻子仁丸

上記の薬剤は、便秘症に用いられることの多い薬剤です。
防風通聖散と同時に服用することで、下痢の副作用が発現しやすくなってしまう可能性があるので、
場合によっては処方医に相談をして量を調節してもらう必要があります。

【低カリウム血症を起こす可能性のある薬剤】

・利尿剤(ラシックスなど)
・副腎皮質ホルモン製剤(プレドニンなど)
・甲状腺ホルモン製剤(チラーヂンS、チロナミンなど)
・グリチルリチン製剤(グリチロンなど)
・甘草湯
・大黄甘草湯
・芍薬甘草湯

血中カリウムに影響のある上記の薬剤が、特に注意が必要と言えるでしょう。
また、甘草は現在用いられている医療用漢方製剤の3/4に含まれている成分です。

ここでは甘草の配合量の多い漢方製剤を代表的なものとして取り上げていますが、服用している漢方が複数ある場合には、注意が必要でしょう。

【動悸、不眠、頻脈、食欲減退】

・交感神経刺激薬(メチエフ、メプチンなど)
・キサンチン誘導体(テオドール、ジプロフィリンなど)
・抗コリン薬(スピリーバなど)
・麻黄湯
・小青竜湯
・市販のエフェドリン含有の感冒薬

交感神経に作用する薬剤やマオウを含有する薬剤を併用している場合には、特に注意が必要と言えるでしょう。
また、市販の感冒薬にもエフェドリンの誘導体が含まれている場合もあるので、風邪薬を服用する際には注意が必要です。
ドラックストアなどで風邪薬を購入する際には、薬剤師や登録販売士など、有識者に相談をするようにしましょう。

防風通聖散は医療用医薬品以外にも市販もされている漢方製剤で、
比較的安全性は高いと言われています

しかしながら、服用する方のバックグランド(体質や持病、併用薬など)は一様ではなく、副作用が出てしまう可能性も否定はできません。
体調の変化を感じたら早めに病院を受診し、医師や薬剤師の判断を仰ぐことが重要と言えるでしょう。

チェックしておきたい防風通聖散のそれ以外の副作用の事

 

防風通聖散を飲んだら吐き気が?吐き気が出る人は胃腸が弱いから?

2017.06.17

防風通聖散を飲んで頭痛!?これって副作用なの?

2017.06.17

防風通聖散は下痢になる!?これって好転反応それとも副作用?

2017.06.02

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です